神経ブロック注射
神経ブロック注射とは、痛む部位の神経付近、もしくは痛みの原因となっている神経付近に麻酔薬を注射することで痛みをとる治療法です。神経ブロック注射は一時的に痛みをとるだけでなく、「痛みの悪循環」を断ち切り、根本的に痛みをとる治療法です。
1.筋肉が緊張する
2.血流が悪くなる
3.神経が興奮し、筋肉が硬直する
ブロック注射
局所麻酔薬で痛みの伝達をブロックし、「痛みの悪循環を断つ」治療です
4.痛みを感じる
5.さらに神経が興奮し、血管や筋肉が収縮する
1.筋肉が緊張する
痛みの悪循環
痛みの悪循環の原因
脳が痛みを感じると、その防衛反応として交感神経や運動神経などが興奮します。その興奮が繰り返され持続すると、血液の循環がさらに悪化し、筋肉の緊張が続きます。血液の循環の低下により、筋肉への酸素の供給が減り、さらに老廃物(代謝物質)が排泄されなくなり、そうした老廃物がさらに新たな痛みの原因物質となり、悪循環を引き起こします。
脳は痛みを記憶します。痛みの記憶もやはり防衛反応であり、次の痛みに対して素早く反応するためですが、肩こりなど持続する痛みに対しては痛みの刺激を増幅して感じるようになることがあります。こうした痛みの記憶は、痛みの治療において大きな支障となり、痛みに我慢することは、痛みを悪化させ治療を困難にします。この痛みの記憶が定着される前に治療を開始することが大切です。
代表的な神経ブロック注射
トリガーポイント注射
トリガーポイント(押すと痛むツボ)をみつけて、局所麻酔薬を注射します。 2~5ヶ所が対象で、皮膚から浅い部分(0.5~1cm)に連続して注射します。合併症が少なく、広く行われています。保険が適応されます。
対象疾患
肩こり、緊張型頭痛、筋・筋膜性疼痛症候群、線維筋痛症、頸椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など
注射の流れ
1.準備
診察室内で注射します。服は注射するところだけをめくっていただきます。
診察室内で注射します。服は注射するところだけをめくっていただきます。
2.注射
消毒し注射をします。注射は1ヶ所につき数秒ほどで終了します。
消毒し注射をします。注射は1ヶ所につき数秒ほどで終了します。
3.帰宅
安静時間を必要としないため、すぐにお帰りいただけます。
安静時間を必要としないため、すぐにお帰りいただけます。
注射後、気を付けること
日常生活に制限はありませんが、当日の激しい運動は控えてください。
1週間に1回が注射の目安になります。
1週間に1回が注射の目安になります。
硬膜外ブロック注射
硬膜外ブロックは、硬膜外腔という脊髄の外にある空間に局所麻酔薬を注入し、脊髄から体中に張り巡らされた末梢神経を一時的に遮断(ブロック)して、痛みをとりのぞき、血液の循環を改善することにより、病気を治す治療法です。
対象疾患
椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、ぎっくり腰、腰椎すべり症、坐骨神経痛など。
腰やひざ、足などの痛み、帯状疱疹に対しても有効です。
注射の流れ
1.準備
処置室へ移動後、血圧測定し、ベッド上で横向きになりエビのように背中を丸めていただきます。衣服は注射する背中の部分だけをめくっていただきます。
処置室へ移動後、血圧測定し、ベッド上で横向きになりエビのように背中を丸めていただきます。衣服は注射する背中の部分だけをめくっていただきます。
2.注射
消毒をしてから、神経ブロックを行います。10分程度で終了します。
消毒をしてから、神経ブロックを行います。10分程度で終了します。
3.経過観察
30~40分程度安静にしていただきます。途中何度か血圧を測ります。安静終了予定時間に再度スタッフがうかがい、足踏みをして、足の重だるい感じ、脱力感が解消されたかを確認します。脱力感が解消されていれば安静を終了し、されていなければ延長になります。
30~40分程度安静にしていただきます。途中何度か血圧を測ります。安静終了予定時間に再度スタッフがうかがい、足踏みをして、足の重だるい感じ、脱力感が解消されたかを確認します。脱力感が解消されていれば安静を終了し、されていなければ延長になります。
3.帰宅
医師と注射の効果判定を行った後、帰宅となります。
医師と注射の効果判定を行った後、帰宅となります。
硬膜外ブロックができない方
血液をサラサラにするお薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を内服されている方は、硬膜外ブロックができません。別の治療法を提案いたします。
注射後、気を付けること
当日の激しい運動は控えてください。
入浴は、注射後6時間以上時間をあけてください。
1週間に1回が目安です。
入浴は、注射後6時間以上時間をあけてください。
1週間に1回が目安です。
星状神経節ブロック
星状神経節という首の前にある交感神経に麻酔薬を注射します。この神経をブロックし、交感神経の興奮を和らげることで、顔面や腕、上半身の血流が改善し、痛みやしびれを和らげ、炎症が起きていたり傷んでいる部分を回復させることを目的に行います。治療には保険が適用されます。
対象疾患
頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、肩こり、むちうち、頚肩腕症候群、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、腱板損傷、頭痛、帯状疱疹、顔面神経麻痺、眼瞼痙攣、突発性難聴、自律神経失調症、更年期障害、花粉症・鼻炎、便秘症、不眠症、多汗症 など
注射の流れ
1.準備
血圧測定後、ベットで仰向けに寝ていただきます。
血圧測定後、ベットで仰向けに寝ていただきます。
2.注射
消毒し、部位を同定した後、注射は数分ほどで終了します。注射の痛みは個人差はありますがチクッとする程度でひびくような痛みはありません。
消毒し、部位を同定した後、注射は数分ほどで終了します。注射の痛みは個人差はありますがチクッとする程度でひびくような痛みはありません。
3.経過観察
ベットで20分程度安静していただきます。途中何度か経過観察にうかがいます。
ベットで20分程度安静していただきます。途中何度か経過観察にうかがいます。
3.帰宅
医師と注射の効果判定を行った後、帰宅となります。
医師と注射の効果判定を行った後、帰宅となります。
星状神経節ブロックができない方
血液をサラサラにするお薬(ワーファリン、バイアスピリンなど)を内服されている方は、硬膜外ブロックができません。別の治療法を提案いたします。
注射後、気を付けること
当日の激しい運動は控えてください。
入浴は、注射後6時間以上時間をあけてください。
1週間に1回が目安です。
入浴は、注射後6時間以上時間をあけてください。
1週間に1回が目安です。