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よくある質問
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よくある質問
患者様からよくいただくご質問をまとめました。
皆様のご不安や疑問を解消する一助となれば幸いです。
ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
FAQ About Inguinal Hernia
鼠径ヘルニアについて、よくある質問
診察を受ける前に相談はできますか?
新橋DAYクリニック(0120-546-195)にお気軽にお電話下さい。お問い合わせフォームからも承っております。料金は無料ですのでご安心ください。
鼠径ヘルニアは手術以外で治りますか?
残念ながら現在の医学では手術以外の治療法はありません。
ヘルニアバンドは効果がありますか?
ヘルニアバンド(脱腸帯)というものを使用している方もいらっしゃいますが、これはお腹を外から抑えることで、治療にはなりません。これにより鼠径ヘルニアが治ることはありません。押さえつけることにより嵌頓(かんとん)する危険性もあり、当院ではヘルニアバンドの利用は推奨いたしません。
痛みがないので放っておいても大丈夫ですか?
鼠径ヘルニア(脱腸)が痛みを伴わないからといって放置するのは良いことではありません。進行すると、時として腸が筋肉で締め付けられ、元の位置に戻らなくなる事があります。この状態を嵌頓(かんとん)と呼び、嵌頓が起きると、しばしば緊急手術が必要となります。嵌頓すると日帰りでは対応できません。嵌頓によって腸内の食べ物の流れが停止すれば、腸閉塞が発生します。さらに、腸の周りの血管が締め付けられ腸への血液供給が途絶えると、腸の組織が壊死(死滅)します。そのような場合は、その部分を切除するため長期の入院治療が必要となります。場合によっては命に関わる重大な状態になる事もあります。そうなる前に、お早めの治療をお勧めします。
詳しくは「鼠径ヘルニアの嵌頓について」をご覧ください。
鼠径ヘルニアになりやすいのはどんな人ですか?
乳幼児や中高年に多いですが、どちらも鼠径ヘルニア患者の80%が男性です。職業では、力仕事や立ち仕事など、お腹に力がかかる職業の方が多く、生活習慣としては、腹筋などトレーニングや運動を好む方、よく咳をする方、肥満の方に多くなっています。
実際に当院で手術を行ったことがある、鼠径ヘルニアが多い職業と生活習慣をまとめると以下のようになります。
鼠径ヘルニアが多い職業
①重いものを運ぶ職業:
運送業・製造業・建築業・土木業 など
②立ち仕事が多い職業:
飲食業・倉庫業・美容師・理容師・介護士・警察官・フライトアテンダント など
③お腹に力がかかる職業:
吹奏楽器奏者・声楽家・歌手・サッカー選手・野球選手 など
鼠径ヘルニアが多い生活習慣
喫煙・便秘・肥満・喘息・大きなくしゃみや咳をよくする など
また、妊娠中もお腹に力が加わるため、鼠径ヘルニアになりやすいとされています。そのため妊娠を経験した女性にも多く見られます。
どんな症状がありますか?
立ち上がったりお腹に力を入れたりしたときに、足の付け根部分(鼠径部:そけいぶ)が膨らむ、出っぱるような症状です。姿勢を変えたり力を抜いたりすれば元に戻ることが多いのが特徴的です。
鼠径ヘルニアの原因は何ですか?
鼠径ヘルニアを発症する原因は、生まれながらの先天的な原因と、後天的な原因があります。
先天的な原因は、胎児の時に自然に閉じるはずの腹膜にできた穴が開いたまま残ってしまうことで生じます。そのため、生まれる前、母体にいる段階で、すでに鼠径ヘルニアを抱えています。乳幼児や若い人の鼠径ヘルニアは概ねこの原因で発症します。
後天的な原因は、主に加齢や生活習慣、病気によるものとなります。
自然に起こる鼠径ヘルニアの原因として、最も多いとされています。加齢により、内臓をお腹の中に支えるための、お腹の底の部分にある「筋肉」を包む、「筋膜組織」が弱くなることが原因とされています。この筋膜が弱くなると、まるで風船が膨らむように、お腹の中の臓器が飛び出てくることで鼠径ヘルニアが起こります。まさしく脱腸です。
これらは、立ち仕事、重労働、運動習慣、便秘、咳、喫煙などによって、鼠径部に絶えず腹圧がかかることで発症しやすくなります。年齢や生活習慣が原因で起こるため、さらに解剖学的理由(陰嚢の存在)も加わり、鼠径ヘルニアは高齢男性に多く発症します。
また、近年では前立腺癌の増加により、前立腺全摘出手術後の方の鼠径ヘルニアの発症が増えています。これは前立腺を摘出するための手術操作で、鼠径部の筋膜を一部剥離するために術後起こりやすくなると言われています。
鼠径ヘルニアが自然に治ることはありますか?
成人してから発症した鼠径ヘルニアは自然に治ることはありません。幼児期の鼠径ヘルニアは自然に治ることはありますが、正確な統計学的な知見はありません。
鼠径ヘルニアは再発することはありますか?
鼠径ヘルニアの手術で完全に再発を防ぐ方法は存在しないが、メッシュの素材や手術手技の改良により、現在ではメッシュを使用した場合、再発率は約2~3%とされています。腹腔鏡手術では再発率は1%未満に抑えられることが多いです。しかし熟練した医師が手術を行っても、再発リスクは0ではありません。
鼠径ヘルニアが再発する主な原因は、メッシュが適切に覆わていなかったり、縮んでしまったりすることです。近年は縮みにくいメッシュが主流となっているため、以前より再発率は小さくなってきています。
また、手術した側とは反対側に鼠径ヘルニアが出現する場合もありますが、これは再発とは言いいません。
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鼠径ヘルニア以外の腹部ヘルニア(臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、食道裂孔ヘルニア)の診療は行っていますか?
鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア以外の腹部ヘルニアの手術は入院管理が必要となるケースが多いため、原則手術は行っておりません。そのため診療することは可能ですが、手術適用となった場合は入院加療が可能な施設へ紹介となる可能性が高いことをご了承頂いております。腰椎ヘルニアや頸椎ヘルニアにつきましてはペインクリニックにてブロック注射等の診療を行っております。
診察の際、陰部を見せるのに抵抗があります。
男性でも女性でも同じ事を考える方は多いのではないでしょうか。基本的に診察に必要な部位以外は隠していただいております。男性患者さまの場合は女性スタッフは退席します。女性患者さまの場合は、必ず女性スタッフが付き、診察に必要な部位以外は女性スタッフがタオルで覆いますのでご安心ください。
海外在住ですが、受診できますか?
場所柄、海外在住の日本人の方が多く受診されます。また日本在住の外国人の方も多く受診されます。個別にご対応させていただきますので、お気軽にお電話やメールにてご連絡ください。
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FAQ About Day Surgery
日帰り手術について、よくある質問
全身麻酔の手術で「日帰り」って、そもそも大丈夫なのでしょうか?
海外、特に米国では、鼠径ヘルニアの手術は大半が日帰りで行われていますが、日本でそれが可能かどうかという問いに対して単純に「大丈夫です」とは答えません。医療制度や文化は国によって大きく異なるからです。他の病院で一週間の入院が必要と言われている手術を、なぜ日帰りで行えるのかと、多くの方は疑問に持たれると思います。その答えは、当院の場合、鼠径ヘルニアの日帰り手術に特化した施設であるから「大丈夫」なのだと考えます。
そもそも、退院できない=自宅に戻れない時の「原因」は、概ね以下の5つに分類されます。
①嘔気
②疼痛
③飲水・食事摂取
④歩行
⑤安全管理
帰宅できない場合、この5つの項目に術後何かしらの問題があるケースが考えられます。実は、これらはほとんどが手術そのものではなく、麻酔に原因がある事が多いのです。そのため、日帰り手術の麻酔では、手術中に十分な鎮痛と鎮静が得られ、かつ術後すぐに麻酔から覚める調節性の高い麻酔が要求されます。これらは、入院手術で行う麻酔よりも、ある意味繊細で高度な管理が必要です。
また、帰宅時や帰宅後の患者さまの安全管理(持病を悪化させない、急変を起こさないなど)について、日本麻酔科学会は日帰り麻酔の安全のための基準を策定し、一般に公開しています。この中で日帰り麻酔を行うための基準として、「入院できるベッドが確保されている」ことを看護要因と設備の観点から望ましい事項として挙げています。当院では術後、患者様が日帰りできない万が一の事態に備えて、提携先病院にいつでも入院を依頼できる体制を構築しております。しかし、そのような事態は決して起こらないよう、日本麻酔科学会の基準以上に何重もの安全対策を実施していることから、開院以来そのような事例の発生はありません。一例として、術後の経過観察項目と基準を細かく定め、小さな所見も見逃さないようスタッフ間ですべて共有できるようにしています。これらの安全対策に対して、全スタッフが実施できるよう教育水準を維持し、また必要に応じて診療時間外にも患者さまに対応をすることで、日帰り手術における患者様の安全を担保することが出来るのです。そのためには、手術の専門家である外科医師とは別に、周術期の安全管理を専門とする麻酔科医師が施設責任者として存在し、安全管理体制を主導することが必要不可欠であると考えます。
総合病院の場合、様々な状態の患者さまが来院し、様々な科の様々な種類の手術が毎日同時進行で行われます。鼠径ヘルニアの日帰り手術を行う総合病院が日本にほとんど存在しないのは、鼠径ヘルニアの患者さまだけ「日帰り」するために上記のように特別体制を組む事が現実的ではないためです。総合病院には鼠径ヘルニアの日帰り手術に対応する以前に、やるべき業務があまりにも多いのです。それゆえ、鼠径ヘルニアの日帰り手術は、当院のような麻酔科医が代表を務める日帰り手術に特化した施設なら「大丈夫」なのだと考えます。