鼠径ヘルニア日帰り手術 当日の流れ|来院から帰宅まで
DAY OF SURGERY TIMELINE
手術当日の過ごし方 — 来院から帰宅まで、時系列でぜんぶ見せます
脱腸とも呼ばれる鼠径ヘルニアの日帰り手術を控えていると、「当日、自分の身に何が起きるのか」が見えないことが、いちばんの不安になりがちです。受付では何を聞かれるのか、麻酔はどう始まるのか、目が覚めたときどうなっているのか、いつ「帰ってよい」と言われるのか。当日の流れが見えないままだと、不安だけが大きくなります。
この記事は、患者さんの体験談ではなく、施設側の事実記述として、鼠径ヘルニアの日帰り手術当日の流れを時系列でお見せするものです。受付から帰宅まで、それぞれの段階で「誰が・何を確認しているのか」を、麻酔科専門医である代表の視点から開示します。なお、時間に関する数値はすべて「目安」であり、個人差があります。
The Whole Timeline
鼠径ヘルニアの日帰り手術当日は、来院から帰宅まで何が起きますか?(全体像)
結論:受付から術前確認・麻酔・手術・覚醒・帰宅判断までを、麻酔科専門医が一つの流れとして設計し段階ごとに確認します。
鼠径ヘルニアの日帰り手術当日は、大きく分けて「来院・受付」「術前の最終確認」「手術室での麻酔と手術」「術後の回復観察」「帰宅判断」という流れで進みます。来院から帰宅まではおおむね4時間が目安ですが、これは手術そのものの時間だけでなく、術前準備と術後観察を含めた全体の目安で、状態によって個人差があります。
当院が大切にしているのは、各段階で「誰が・何を確認しているか」をはっきりさせることです。鼠径ヘルニアの日帰り手術では、手術が無事に終わることと、安全に帰宅できることは別の課題です。麻酔科専門医である代表が、術前評価から麻酔、覚醒、帰宅判断、帰宅後の連絡体制までを一つの流れとして設計し、各段階で確認すべき項目を決めています。
「早く帰すため」に各段階があるのではありません。「帰宅してよい状態かを、段階ごとに確認するため」の工程だとお考えください。鼠径ヘルニアの日帰り手術そのものの全体像は日帰り手術のご案内、病気そのものについては鼠径ヘルニアとはもあわせてご覧ください。
What to Bring
鼠径ヘルニアの日帰り手術当日は何を持っていけばよいですか?付き添いは必要ですか?
結論:保険証・お薬手帳・かかりつけ医情報などをご持参ください。全身麻酔後の帰宅となるため、付き添いの要否は事前にご案内します。
当日の持ち物として望ましいものは、健康保険証(マイナ保険証)、お薬手帳、限度額適用認定証(お持ちの方)、かかりつけ医や通院中の診療科がわかるもの、最近の検査結果があればその内容、これまでの手術歴に関する情報です。とくに、血液をサラサラにする薬や、糖尿病・心臓・血圧の薬を飲んでいる方は、薬の名前だけでなく飲んでいる理由も確認できるよう、お薬手帳をお持ちいただくと安心です。
付き添いについては、全身麻酔のあとの帰宅になるため、付き添いの要否を事前にご案内します。ご本人の年齢、持病、当日の移動手段、帰宅後に見守れる環境などをふまえて判断し、必要な場合はあらかじめお伝えします。安全に帰宅していただくための確認事項の一つだとお考えください。
絶食や内服については、予約時や術前の説明でご案内します。一般的な注意として、当日の食事や飲水、薬の扱いには事前の取り決めがあります。とくに血液をサラサラにする薬などは、自己判断で中止せず、休薬の可否は必ずかかりつけ医や当院の指示にしたがってください。具体的な休薬の時期や方法は、薬の種類や飲んでいる理由によって異なるため、個別にご相談のうえで決めます。
Before the Operating Room
受付から手術室に入るまで、誰が何を確認しますか?
結論:受付後、スタッフと医師が当日の体調・同意内容・取り違え防止の照合を段階的に確認し、準備が整ってから手術室へご案内します。
来院・受付のあとは、当日の体調確認から始まります。発熱や体調の変化がないか、前日からの過ごし方、絶食・内服の状況などを確認します。これは、予約時に整えた術前評価の内容が、当日も変わっていないかを確かめるためです。
続いて、手術や麻酔の内容について、説明と同意の確認を行います。鼠径ヘルニアの手術は腹腔鏡(TAPP法)で行い、傷は約5mm×3か所、全身麻酔に神経ブロックを組み合わせて術後の痛みに配慮します。こうした内容を、当日あらためてご本人と確認します。手術室に入る前には、お名前や手術部位の確認、アレルギーや過去の麻酔で困った経験がないかの再確認など、安全のための照合を複数のスタッフで行います。
つまり、手術室に入るまでの段階で確認しているのは、「当日の全身状態」「同意内容」「取り違えや見落としを防ぐための照合」です。準備が整ったことを確認してから、手術室へご案内します。
Anesthesia and Monitoring
麻酔はどのように始まり、手術中は誰が見ていますか?
結論:麻酔科専門医である代表が麻酔の導入から全身状態の管理までを担い、眠っているあいだも継続して呼吸・循環を見守ります。
手術室では、麻酔の導入から始まります。全身麻酔は、点滴などを通じて眠りに入っていく方法です。麻酔科専門医である代表が、麻酔の導入、麻酔中の深さの調整、呼吸や血圧・脈などの全身状態の管理を担います。当院が「麻酔科医が設計する鼠径ヘルニア手術」を掲げているのは、痛み対策や麻酔管理を、手術そのものと同じ中核として位置づけているためです。麻酔と安全管理の考え方は麻酔と安全への取り組みでくわしく解説しています。
手術中は、麻酔科の視点から、呼吸・循環・麻酔の深さなどを継続して確認します。全身麻酔は、それ自体が日帰りを妨げるものではありません。麻酔から安全に覚め、術後の吐き気や痛み、歩行、飲水といった項目を一つずつ管理できるよう設計することで、日帰りという形が成り立ちます。痛みについては、全身麻酔に加えて神経ブロックや鎮痛薬を組み合わせて配慮しますが、痛みの感じ方には個人差があり、術後に違和感や痛みが出ることはあります。
手術中、ご本人は眠った状態です。そのあいだ、誰がどこを見ているのか――その「裏側」を担うのが麻酔科医の役割だとお考えください。
Waking Up
手術が終わってから、目が覚めるまでに何が起きますか?
結論:麻酔から覚める過程をスタッフと医師が見守り、呼吸・血圧・吐き気・痛み・出血などを一つずつ確認しながら回復を待ちます。
手術が終わると、麻酔を切り上げ、覚醒へと向かいます。目が覚める過程では、呼吸や血圧が安定しているか、吐き気や痛みが強すぎないか、出血の問題がないかなどを確認します。覚醒のしかたには個人差があり、すっきり目覚める方もいれば、しばらくぼんやりする方もいます。
術後は、回復のための観察時間を設けます。この時間は、ただ休んでいただくためだけのものではありません。麻酔から十分に覚めているか、呼吸や血圧が落ち着いているか、吐き気や痛みが管理できているか、出血がないか、といった項目を、スタッフと医師が確認するための時間です。術後の観察にかかる時間はおおむねの目安があり、状態によって個人差があります。長めの観察が必要と判断する場合や、別の対応を検討する場合もあります。
この段階では、「手術が終わったこと」よりも、「帰宅してよい状態に向かっているか」を確認していると考えていただくと、観察時間の意味が伝わりやすいかもしれません。
Time or Condition?
「帰ってよい」は何で判断しますか?時間ですか、状態ですか?
結論:時間ではなく、覚醒・呼吸・血圧・吐き気・痛み・出血・歩行・飲水の状態が基準を満たしているかで判断します。
帰宅の判断は、「◯時間たったから」ではなく、「帰宅してよい状態の条件を満たしているか」で行います。確認する主な要素は、麻酔からの覚醒、呼吸や血圧、吐き気、痛み、出血、自分で歩けること、水分をとれること(飲水)です。これらを確認し、基準を満たしてから帰宅していただきます。
つまり、当日の流れは時間で区切られているのではなく、状態で進んでいきます。「その日に必ず帰れる」「必ず◯時間で帰れる」とお約束するものではなく、状態を確認したうえで、安全に帰宅できると判断できたときに帰宅していただきます。帰宅判断をどんな基準で行うか、なぜ来院から帰宅まで約4時間が目安になるのかは、来院から帰宅まで約4時間と帰宅判断の基準でくわしく解説していますので、本記事ではここまでに留めます。
帰宅後についても、術後の電話確認や、つながる緊急連絡先を用意しています。日帰り手術では、手術室の中だけでなく、帰宅後の連絡体制まで含めて安全を設計することを大切にしています。
After You Go Home
帰宅後に不安が出たら、どこへ連絡すればよいですか?
結論:ご用意した緊急連絡先へご連絡ください。翌日の電話確認に加え、10日から14日前後の術後確認もあわせて行います。
帰宅後に痛みや出血、その他の気になる症状が出たときのために、つながる緊急連絡先をご用意しています。当日にお渡しする説明のなかで、どこへ、どんなときに連絡すればよいかをご案内します。帰宅後の連絡体制まで含めて整えることは、日帰り手術を安全に行ううえで欠かせない部分だと考えています。
また、術後は翌日の電話確認を行い、その後の経過についても確認します。通院は基本2回(初診と手術日)を軸にしており、術後は原則として通院を必須とはしていませんが、翌日の電話確認に加えて、10日から14日前後(約1〜2週間)の術後確認を行います。状態やご希望に応じて、電話やオンラインを組み合わせる場合があります。
「帰宅したら終わり」ではなく、帰宅後も連絡先と確認の仕組みがある――この点が、当日を安心して過ごしていただくための土台になります。費用や負担割合が気になる方は費用の目安もあわせてご確認ください。
Day-of FAQ
当日についてよくいただく質問は何ですか?(FAQ)
結論:持ち物、付き添い、飲食、薬、帰宅のタイミングなどは、当日までに確認しておくと当日を落ち着いて迎えられ、不安を減らせます。
Q. 当日は何を持っていけばよいですか?
A. 健康保険証(マイナ保険証)、お薬手帳、限度額適用認定証(お持ちの方)、かかりつけ医や通院中の診療科がわかるもの、最近の検査結果があればその内容をご持参ください。とくに薬を飲んでいる方は、お薬手帳が役立ちます。
Q. 付き添いは必要ですか?
A. 全身麻酔後の帰宅になるため、付き添いの要否を事前にご案内します。ご本人の年齢、持病、当日の移動手段、帰宅後の見守り環境によって判断し、必要な場合はあらかじめお伝えします。
Q. 飲み薬は当日も飲んでよいですか?
A. 薬の種類や飲んでいる理由によって異なります。とくに血液をサラサラにする薬は、自己判断で中止せず、休薬の可否は必ずかかりつけ医や当院の指示にしたがってください。当日の内服については、事前の説明でご案内します。
Q. 当日、いつ「帰ってよい」と言われますか?
A. 時間ではなく、覚醒・呼吸・血圧・吐き気・痛み・出血・歩行・飲水などの状態で判断します。基準を満たしたことを確認してから帰宅していただきます。判断の考え方は来院から帰宅まで約4時間と帰宅判断の基準で解説しています。
Q. もし当日、日帰りが難しいと判断されたら?
A. 当日の状態によっては、日帰りより入院管理が適していると判断する場合があります。その場合は理由をご説明し、入院管理が可能な連携医療機関への紹介を検討します。当院は東京慈恵会医科大学附属病院・板橋中央総合病院・国際医療福祉大学三田病院などと連携しています。これは治療をあきらめるためではなく、より安全な環境で対応するための判断です。
Get in Touch
当日の流れの相談は、どこからすればよいですか?(導線)
結論:予約前でも構いません。持ち物・付き添い・当日の流れの疑問から、麻酔科専門医が設計する当院にお気軽にご相談ください。
当日の流れに不安がある方は、手術を決める前の段階でも、当日について確認していただけます。持ち物、付き添い、飲食や薬の扱い、帰宅のタイミングなど、気になる点をあらかじめ確認しておくと、当日を落ち着いて迎えやすくなります。
ご相談の際は、お薬手帳、かかりつけ医や通院中の診療科、最近の検査結果、これまでの手術歴、普段の歩行や生活の様子、帰宅時の付き添いや見守り環境についての情報があると、より具体的にご案内できます。鼠径ヘルニアという病気そのものは鼠径ヘルニアとは、日帰り手術の全体像は日帰り手術のご案内、その他の疑問はよくある質問、はじめての方はトップページもあわせてご覧ください。
新橋DAYクリニックは、JR新橋駅日比谷口から徒歩1分、東京メトロ銀座線新橋駅B出口すぐの場所にあります。完全予約制で、火曜・木曜・土曜に手術日を設け、水曜・金曜は20時まで診療しています。初診のオンライン診療にも対応しています。
- ご相談・ご予約 ― 0120-546-195
- 代表電話 ― 050-5527-1126
この記事の制作者
岡村 正之
新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師
日本専門医機構認定麻酔科専門医
黒崎 哲也
新橋DAYクリニック外科統括医師
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本ロボット外科学会Da Vinci certificate
日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級
大城 崇司
新橋DAYクリニック外科医師
東京慈恵会医科大学 上部消化管外科 准教授
富山大学附属病院消化器・腫瘍・総合外科 客員教授兼任
日本外科学会認定外科専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
消化器がん外科治療認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本抗加齢学会専門医
Certificate of da Vinci console surgeon
日本肥満症治療学会評議員・データベース委員・教育委員・メンタルヘルス部会委員
日本内視鏡外科教育委員(減量・代謝改善手術担当)、縫合・結紮手技インストラクター
鈴木 淳一
新橋DAYクリニック外科医師
板橋中央総合病院外科診療部長
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科診療部長
新居 高
新橋DAYクリニック外科医師
板橋中央総合病院外科医長
日本外科学会認定外科専門医
鈴木 淳平
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科
監修:院長 岡村 正之(日本専門医機構認定 麻酔科専門医)|最終更新日:2026-06-19
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