鼠径ヘルニアとよく見間違える疾患
下腹部のふくらみを見つけて、どうしよう鼠径ヘルニアかも?と思って当院のサイトにたどりついていませんか?
確かに鼠径ヘルニア(脱腸)であれば手術をしないと治療できない疾患ですが、本当にあなたのその「下腹部のふくらみ」、鼠径ヘルニアでしょうか。CTなど撮影しないと鑑別できないような疾患もありますが、よくある見間違い疾患をご紹介します。鼠径ヘルニアでない場合に受診をする医療機関を判断する一助になれば幸いですが、しかし、患者さまが迷ったときには、当院のような鼠径ヘルニアを診療しているクリニックにお気軽にご受診ください。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、皮膚にできる良性の皮下腫瘍です。アテローム、表皮嚢腫とも呼ばれます。袋状の構造物の中に角質や皮脂がたまり、全身どこにでもできることがあります。自然治癒はせず、完治には手術で袋状の組織を取り除く必要があります。放置すると大きくなったり、感染して化膿するリスクがあります。つぶして中身を出しても、袋が残るため再発します。粉瘤は一般的には硬い腫瘤なので、押しても凹まないところが鼠径ヘルニアとの違いになります。粉瘤を疑ったら、皮膚科に受診をご検討ください。
リンパ節腫大
リンパ節腫大は、ぐりぐりとしたしこりが特徴です。主な原因として、感染症、自己免疫疾患、悪性疾患などが考えられますが、原因は多岐にわたり、軽い風邪の後にリンパ節腫脹を感じる場合や、予防接種直後の免疫反応によるものなどもあります。通常押しても凹むことはありません。感染症などの反応性の場合には痛みを伴い、悪性の場合には痛みを伴わないことが多いといわれています。鼠径部のリンパ節が腫大しているときは、内科や泌尿器科、そして女性は産婦人科が専門の医療機関になります。
陰嚢水腫
陰嚢内(睾丸の周り)に水が溜まった状態をさします。基本的には悪性の病気ではなく、特に陰嚢に水がたまったからと言って身体に影響はありません。鼠径ヘルニアと異なり原因が腸ではなく睾丸部であるため、ふくらみが睾丸部に限局しているのが特徴です。また横になっても凹まないことも多く、こうした所見が鼠径ヘルニアとは見た目が異なりますが、一見しただけでは鑑別がつかないこともあり、しばしば超音波など画像診断が必要となります。泌尿器科への受診をご検討ください。
| 腫瘤の性状 | 押して凹むか | 横になると凹むか | |
|---|---|---|---|
| 鼠径ヘルニア | 柔らかい | 凹む | 凹む |
| 粉瘤 | 硬い | 凹まない | 凹まない |
| リンパ節腫大 | 硬い | 凹まない | 凹まない |
| 陰嚢水腫 | 柔らかいこともある | 凹むこともある | 凹まない |
その他にも精索静脈瘤、Nuck管水腫、異所性子宮内膜症など、鑑別を要するものは様々あります。そのため、鼠径ヘルニアと思ってご来院して診察や検査をしたら、別の疾患だった、なんてことはよくあります。まずは鼠径部に症状を認めたら上記の表を参考にして頂ければとは思いますが、ご自身で判断がつかなければ遠慮なく鼠径ヘルニアを診療する当院のような医療機関へのご受診をご検討ください。
この記事の制作者
記事執筆
新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師
日本専門医機構認定麻酔科専門医
記事監修
新橋DAYクリニック外科統括医師
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本ロボット外科学会Da Vinci certificate
日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
Certificate of da Vinci console surgeon
日本肥満症治療学会評議員
日本肥満症治療学会肥満外科治療ガイドライン策定委員会・同データベース委員会、教育委員、メンタルヘルス部会、小児・思春期における減量・代謝改善手術の適応検討委員
日本内視鏡外科教育委員、縫合・結紮手技インストラクター
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科診療部長
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
板橋中央総合病院外科医長
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科
よくある質問
鼠径ヘルニアと見間違えやすい病気にはどんなものがありますか?
本文では粉瘤(ふんりゅう)、リンパ節腫大、陰嚢水腫が代表例として挙げられています。そのほか精索静脈瘤、Nuck管水腫、異所性子宮内膜症など鑑別を要する疾患もあり、来院後の診察で別の病気とわかることもあります。
下腹部のふくらみが鼠径ヘルニアかどうか、自分で見分けられますか?
目安として、鼠径ヘルニアは柔らかく、押すと凹み、横になると凹む傾向があります。粉瘤やリンパ節腫大は硬く凹みにくいとされます。ただし一見では鑑別がつかないこともあり、自己判断が難しい場合は受診をご検討ください。
粉瘤と鼠径ヘルニアの違いは何ですか?
粉瘤は皮膚にできる良性の皮下腫瘍で、一般的に硬く、押しても凹まない点が鼠径ヘルニアとの違いとされています。自然治癒はせず、疑われる場合は皮膚科の受診をご検討ください。
陰嚢水腫は鼠径ヘルニアとどう違いますか?何科を受診しますか?
陰嚢水腫は陰嚢内に水が溜まった状態で、ふくらみが睾丸部に限局し、横になっても凹まないことが多いとされます。一見では鑑別がつかず超音波などの画像診断が必要なこともあり、泌尿器科の受診をご検討ください。
鼠径部のしこりやふくらみ、何科を受診すればよいですか?
本文では、粉瘤は皮膚科、リンパ節腫大は内科・泌尿器科・(女性は)産婦人科、陰嚢水腫は泌尿器科が挙げられています。判断に迷う場合は、鼠径ヘルニアを診療する当院のような医療機関へご相談ください。
画像検査をしないと鑑別できない病気もありますか?
はい。CTなどの画像検査をしないと鑑別できない疾患もあると本文で述べられています。陰嚢水腫のように超音波などの画像診断が必要になる場合もあるため、ご自身で判断がつかないときは受診をご検討ください。
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