鼠径ヘルニア(脱腸)が再発する確率は高い?理由と対策について解説
記事最終更新日: 2023年8月29日
こんにちは、新橋DAYクリニック院長の岡村です。
鼠径(そけい)ヘルニア(=脱腸)は、再発の可能性がある疾患です。手術による根治はできるものの、完全に再発の可能性をなくすことはできません。むしろ鼠径ヘルニアを一度でも発症されると再びヘルニアを起こす可能性は一般の人よりと高くなると考えられます。ただ一度目の手術での適切な処置やその後の生活によってリスクを抑えられる可能性はあります。なお入院よりも日帰り手術のほうが再発の可能性が高まることはありません。鼠径ヘルニアの日帰り手術経験が豊富な当院なら、術前術後のケアの体制も整えて、患者さんが快適な生活を送れるようにサポートをいたします。
鼠経ヘルニア(脱腸)の再発リスクは下がりつつある
鼠径ヘルニアの再発は残念ながら一定の確率で起こります。ただし手術方法の進歩に伴って年々再発リスクが低下してきたのはまちがいありません。2010年以前に鼠径ヘルニアの手術を受けた方は、使用されていた機器のレベルからも再発リスクが高くなる可能性があります。当院は2022年開業のクリニックのため最新の手術方法、医療機器を使用しています。そのため再発の可能性は、ここ数年のデータよりもさらに低下するものと期待されます。
再発の確率は手術法で異なる
手術方法や手術に使うメッシュによって再発率は変わると言われています。
- 2000年前後まで主流だった筋肉を縫い合わせる方法…10~35%
- 2010年ころまで使われていたメッシュ法…5~10%
- 現在主流のメッシュ…2~3%
メッシュで鼠径部を覆うとヘルニアが飛び出してくるのを防げますが、古いメッシュが年月とともに縮んでしまうと、カバーしきれなくなることがあります。確率については諸説あり、個人差もあるのであくまでも目安とお考えください。
再発したら手術を受けるのが一般的
「再発かもしれない」と相談された場合は、前回に行った手術の時期や内容をお聞きします。さらに触診、CT検査によって再発かどうかが特定できます。再発と診断が確定した場合は再度手術を受けたほうがよいでしょう。手術方法は腹腔鏡を使って、飛び出したヘルニアを中に押し込むもので、当院が行う通常の手術と同じです。再発の原因を調べながら手術を行うので、理由が特定できるかもしれません。
1回目の手術から年月が経過していると、手術がやや困難なケースもあります。ただし当院の医師、スタッフは鼠径ヘルニアの症例実績が豊富ですので、安心してご相談ください。
反対側の鼠径部もヘルニアになりやすい
右側が鼠径ヘルニアになった患者さんは、反対側の左足も鼠径ヘルニアを発症しやすい傾向があります。反対側の発症は「再発」ではありません。ただ、鼠径ヘルニアの経験があるということは筋膜が弱っているため、平均的な水準よりも反対側の鼠径ヘルニアになりやすいと言えるでしょう。10%以上の方が反対側も鼠径ヘルニアになると言われます。
鼠径ヘルニアの再発の原因と前兆
鼠径ヘルニアの再発率は手術方法で抑えられますが、手術後の生活が原因で再発につながる可能性があります。
- 立ち仕事が多い
- 力仕事が多い
- 肥満体質である
- 激しい運動、下腹部に力を入れる
などの影響で再発する場合があると言われます。もちろんお仕事の内容によってはやむを得ない場合も多いでしょう。ただ過去に鼠径ヘルニア(脱腸)の経験がある方は用心していただきたいと思います。
腹圧に注意し、体重を減らす
鼠径ヘルニアの原因の1つに肥満も挙げられます。そのため体重を減らせば鼠径ヘルニアの再発防止になると考えられます。便秘や大きな咳払いのほか、前立腺肥大などお腹に力がかかる状態は、ヘルニアを引き起こす可能性があるので生活習慣を見直すとよいでしょう。なお予防のために筋トレをがんばる方がいますが、逆効果になる恐れがあります。とくに腹筋体操では筋膜は鍛えられず、腹部への圧力がかかるだけで再発防止には効果がありません。
鼠径部のふくらみ、しこりに注意
初回の鼠径ヘルニア発症と同じく、鼠径部のふくらみが見られたら要注意。また症状が鼠径部の傷みだけという場合もあります。一般的に1回目の手術から1~2年後に再発するケースと、古い手術方法で受けた患者さんが10年以上を経て発症する場合もあります。再発が疑われる場合の放置は危険です。嵌頓(かんとん)してしまうと緊急手術が必要になる恐れもあるので、このような症状に気づかれた場合には、早めに病院を受診してください。
鼠経ヘルニアの再発に関するQ&A
「鼠径ヘルニアが再発してしまった?」と感じたら、まずは診察を受けてください。痛みやしこりがだんだん大きくなる状態で放置してしまうのは危険です。当院は診察後に、その日のうちに手術の予約にも対応します。再発時によくあるQ&Aをまとめました。
再発したら手術は必須ですか?
鼠径ヘルニアの再発が確認されたら、手術を受けることをおすすめします。ただし再発かどうかは、医師による診察、聴き取りと超音波検査などの結果から診断されます。したがって、まずは医療機関で相談してください。
以前に別の病院で手術を受けましたが診察してもらえますか?
はい。問題ありません。診察の予約をお願いします。診察時に、1回目の手術の時期や方法などを分かる範囲でお答えください。再発が確認されましたらその日のうちに手術予約も可能です。ご希望があれば最短での手術日を調整します。
再発を予防する方法はありますか?
生活習慣を改善するのがよいでしょう。立ち仕事や力仕事の負担は急に減らせないかもしれませんが、肥満の方の減量や禁煙は予防に効果があると言われます。ただし再発してしまったあとは、手術以外では完治しないので早めの受診が大切です。
早めの検査と治療、新橋DAYクリニックにご相談ください
新橋DAYクリニックは、鼠径ヘルニアの日帰り手術を行う専門クリニックです。鼠径ヘルニアの手術実績が多い外科医、麻酔科医が患者さんの体に負担の少ない医療をご提供します。過去に別の医療機関で再発したかも気になる症状があれば、お早めにご相談ください。
執筆:岡村正之(新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師 日本専門医機構認定麻酔科専門医)
記事監修:黒崎哲也(新橋DAYクリニック外科統括医師 日本外科学会認定外科専門医・指導医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本消化器外科学会専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本大腸肛門病学会指導医・専門医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本ロボット外科学会Da Vinci certificate 日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級)
鈴木淳一(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 日本消化器外科学会専門医 消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本腹部救急医学会認定医 板橋中央総合病院外科診療部長)
新居高(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 板橋中央総合病院外科医長)
鈴木淳平(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器病学会専門医 日本消化管学会胃腸科専門医 日本腹部救急医学会認定医 板橋中央総合病院外科)
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