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鼠径ヘルニアの修復術を解説。からだに負担が少なく安全な方法は?

記事最終更新日: 2023年8月29日

新橋DAYクリニック院長の岡村です。
「鼠径ヘルニア(脱腸)の手術方法ってどんなものなの?」
「日帰り手術なら痛みや負担を少なくできるというが、なぜ?」
「傷の大きさはどの程度?」
患者さんから手術方法についてのご質問をいただくことがあります。「鼠径ヘルニアの日帰り手術は安全」とは言うものの、どんな手術を行っているのか詳しく知る機会はないかもしれません。手術前の不安が少しでも解消されるように、修復術について解説します。

鼠経ヘルニア(脱腸)の修復術

鼠径ヘルニアは自然治癒がなく、手術を行うことでしか根治しません。ヘルニアの状態を元に戻す「修復術」には主に次の2種類があります。中高年の方は「脱腸」という名称のほうが馴染みがあるかもしれませんが、表す意味は同じで手術が必要です。

  • 腹腔鏡下ヘルニア修復術
  • 鼠径部切開法

現在ほとんどの場合に腹腔鏡手術が行われ、適用できない場合に鼠径部切開法が採用されます。

腹腔鏡を使った手術法が主流に

現在の主流の手術は、腹腔鏡を使ったものです。おなかに数ミリ程度の小さな穴を3つ作り、カメラと鉗子を挿入します。おなかの内部映像をモニターでヘルニアの穴を確認し、腹膜と筋肉の間にメッシュ、補強材をつけて固定するのです。メリットは傷が小さく、手術後の痛みが小さい点です。患者さんのからだの負担が少ないので、手術後もお仕事などに復帰しやすいでしょう。使用されるメッシュの機能が向上してきたので、体内で縮むことが少なく再発の可能性も以前に比べると低下しています。

鼠径部切開法の特徴は

鼠径部切開法は、鼠径部付近を3~5センチ程度切開した上で、腸が筋膜の外に飛び出さないようにメッシュで補強する方法です。たとえば血液がさらさらになる薬を服用されていて出血リスクが高い場合、過去に腹部の手術を経験していて腹腔鏡の使用が難しい場合などは切開法が提案されます。傷あとは腹腔鏡に比べると大きいため手術後の痛みは大きくなる傾向があります。ただ下着を着用していれば傷あとは外からは見えないでしょう。なお鼠径部切開法でも入院は必須ではなく、日帰り手術の対応も可能です。

鼠径ヘルニアの腹腔鏡修復術のよい点

腹腔鏡は、患者さんへのからだの負担を極力減らせます。鼠径ヘルニアに限らず、近年多くの手術で使われます。前項でも紹介した通り、腹腔鏡下修復術のほうが切開法に比べて小さな傷で手術できるのです。痛みの感じ方は個人差がありますが一般的には傷が小さい=手術後の痛みが少ない可能性が高いと言われています。

痛みを感じるのは腹膜が切れるから

おなかの傷の痛みを感じるのは、中の腹膜を切ったあとが主な原因です。呼吸にあわせ腹膜が横隔膜の動きで引っ張られる際に痛みが出ますが、切った部分が長いと引っ張られる距離も大きくなるため、痛みが強く出ます。一般的に5mmの傷を複数作るより、1カ所でも3cmの傷があれば痛みが大きくなると言われています。

数ミリの傷でからだをできるだけ傷つけない

腹腔鏡手術では、挿入の際に腹部に小さな穴を3カ所作ります。いずれの傷も大きさは数ミリ程度です。穴からカメラやメッシュを挿入し、ヘルニアの修復術を行います。手術法も、使用されるメッシュも進化しているので、手術時間も短時間化が進んでいます。当然のことですが、手術の傷が小さければ小さいほど、日常生活に復帰するまでの時間は短くなると期待されます。

毛を剃るなどの準備は不要

小さな穴を開けるのはおへその近くです。だから手術前に陰毛を剃る必要も一切ありません。全身麻酔を使って患者さんが動かないような対策はしますが、胃の管や尿の管も使用しません。麻酔の導入、手術にかかる時間は1時間ほど。その後の回復時間を含めても来院から4時間ほどで帰宅していただけるのは負担の少ない腹腔鏡手術ならではと言えるでしょう。

麻酔の量を適切に調整

腹腔鏡を使った手術の場合、全身麻酔が必要です。部分麻酔に比べると使う薬品の量が増える分、手術が終わってからもからだに麻酔薬が残る可能性があります。万が一、手術中に覚せいしてしまっては大変なので、やや多めに薬を投与するのがセオリーでした。ところが現在は薬と麻酔科医の技術が進歩し、体に蓄積しにくい薬剤を使用してからだにかかる負担を減らせるようになりました。実はこれも手術終了後にわずかな時間でご帰宅いただける大きな要因なのです。

手術後の痛み

手術終了後に感じる痛みには個人差があります。一般的に術後の痛みは軽く、痛み止めを飲めば十分という患者さんが多くいらっしゃいます。また抜糸も必要ないので、すぐに日常生活に復帰されるケースがほとんどです。長くても1週間もあれば痛みを全く感じなくなるケースが多いでしょう。まれに1カ月以上、慢性的な疼痛が続く場合もあります。

新橋DAYクリニックの対応

当院では日帰りされた患者さんに、お電話で状態確認を行っています。痛みに備えて内服薬も処方しますので、ご安心ください。経過観察のため、術後2~3週間で術後診察をいたします。術後診察は原則オンライン診療にて可能ですので必ずしもご来院頂く必要はありません(ご来院頂き対面診療にて行うことももちろん可能です)。万全のアフターフォローも含め、安心安全な医療を提供しております。

早めの検査と治療、新橋DAYクリニックにご相談ください

当院では、患者さんの負担をできるだけ減らして、日帰りでも鼠径ヘルニア(脱腸)を根治できる手術方法を実施しています。診察時にもできるだけご不安を取り除くために、丁寧な説明を心がけております。電話やメール、来院時になんでもお気軽にご相談ください。

執筆:岡村正之(新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師 日本専門医機構認定麻酔科専門医)
記事監修:黒崎哲也(新橋DAYクリニック外科統括医師 日本外科学会認定外科専門医・指導医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本消化器外科学会専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本大腸肛門病学会指導医・専門医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本ロボット外科学会Da Vinci certificate 日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級)
鈴木淳一(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 日本消化器外科学会専門医 消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本腹部救急医学会認定医 板橋中央総合病院外科診療部長)
新居高(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 板橋中央総合病院外科医長)
鈴木淳平(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器病学会専門医 日本消化管学会胃腸科専門医 日本腹部救急医学会認定医 板橋中央総合病院外科)

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※最終的な診断には医師の診察が必要です。