【中高年男性必見】鼠径ヘルニアの症状とリスク~セルフチェックで早期発見し日帰り治療へ
お風呂に入ろうとすると、足の付け根が膨らんでいる。
やわらかいし、押したら戻るから、どうも悪いものではなさそうだ。
でも、なんか心配だ。戻ってしまったらそれっきりなので、お風呂を上がるころには気にしなくなってしまった。
翌朝見ても症状はない。
でも、夕方歩いていると今度は違和感を感じるし、
お風呂に入るときにはまた同じところが膨らんでいる。何だろう。
こんな症状が半年も続いている。気になるけど、
相談したいけど、
だれにも相談できない。勇気を出して、家族に相談したら、「早く病院行った方が良いよ」と言われた。
でも、これってどこに受診すれば良いんだろうか??
はじめに:足の付け根の「ふくらみ」に要注意!
上記のお悩みは、当院にいらっしゃる患者さんがよく仰っている相談です。「立ち仕事で一日中動き回っていると、夕方になると股の付け根が何だか腫れている…」そんな経験はありませんか?中高年の男性に多いこうした症状は、 鼠径ヘルニア(そけいヘルニア) 、いわゆる「脱腸」と呼ばれる病気です。お腹の中の腸や脂肪などが筋肉のすき間から飛び出し、足の付け根(鼠径部)に柔らかい膨らみが現れるのが典型的な症状です。初期の鼠径ヘルニアは痛みをほとんど感じないため放置されがちですが、実は 放置すると危険な状態に進行する可能性があります。こちらの記事では、鼠径ヘルニアの症状やリスク、そしてご自身でできるセルフチェック方法を解説し、早期発見・早期治療の大切さをご紹介します。鼠径ヘルニア日帰り手術専門の新橋DAYクリニックが提供するセルフチェックチャート、無料電話相談やオンライン診療を活用し、安心して治療に踏み出しましょう。
鼠径ヘルニアとはどんな病気?
鼠径ヘルニアは、下腹部の筋肉の壁(腹壁)に隙間ができ、そこから腸などの内臓が飛び出してしまう状態です。足の付け根にポコッと膨らみができたり引っ込んだりするため、昔から「脱腸」と呼ばれています。乳幼児から成人まで幅広い年代で発症しますが、特に中高年男性に多い疾患で、患者の約8~9割は男性です。ある研究では男性の3人に1人が一生のうちに鼠径ヘルニアを経験すると報告されています。実際、日本では毎年約30万人が鼠径ヘルニアを発症し、そのうち約13~15万人が手術を受けています。日本で最も件数の多い外科手術が鼠径ヘルニア治療と言われるほど頻度の高い病気ですが、自然に治ることはなく治療には手術が必要です。
鼠径ヘルニアの初期症状
初期症状の特徴は「膨らみ」と「違和感」です。具体的には以下のような症状がみられます。
足の付け根に柔らかい膨らみが出現:立っている時や力を入れた時に、片側の足の付け根(鼠径部)にピンポン球大~鶏卵大の柔らかい膨らみ(腫れ・こぶ)が現れます。男性では時に陰嚢まで膨らむこともあります。膨らみは指で押さえたり横になると引っ込み、消えてしまうのが特徴です。
違和感や重だるさ:下腹部にガスが溜まっているようなお腹の張った感じや、鼠径部が引っ張られるような突っ張り感・違和感を覚えることがあります。長時間立っていたり歩いた後に、足の付け根にだるさを感じる場合もあります。
痛みや不快感:初期には痛みを感じないことが多いですが、人によっては鼠径部に軽い痛みやチクチクする不快感を訴えることもあります。特に立ち仕事中や重い物を持ち上げた時に痛みが出るケースがあります。痛みがなくても違和感だけの場合もあるため注意が必要です。
以上のような症状が一つでも当てはまる場合、鼠径ヘルニアの可能性があります。初期の鼠径ヘルニアは痛みがないため「様子を見よう」と放置してしまう人も少なくありません。しかし、決して自然治癒しない疾患ですので、症状に気づいた段階で早めに医療機関を受診しましょう。
中高年男性は特に要注意!鼠径ヘルニアになりやすい人の特徴
なぜ中高年の男性に鼠径ヘルニアが多いのでしょうか?
まず男性と女性を比べると、男性の鼠径部は構造的に腹壁が弱い部分があり、そこから腸が飛び出しやすい傾向があります。そこに次のような要因が加わり鼠径部の筋膜が弱くなり、ヘルニアが発生しやすくなります。
加齢による筋力低下:年齢とともに腹壁の筋肉や筋膜が衰えると、内臓を支える力が弱まりヘルニアが起こりやすくなります。特に50代以上の男性は要注意です。
長時間の立ち仕事・重労働:日常的に腹圧がかかる動作が多い人はリスクが高まります。例えば、建設業や運送業など重い荷物を持つ仕事、飲食業や理容師など長時間立ちっぱなしになる仕事の方は腹圧の影響でヘルニアを発症しやすい傾向があります。
太り気味・便秘がち:肥満の方は内臓脂肪や皮下脂肪で腹圧が高くなるためヘルニアリスクが上がります。また慢性的な便秘や前立腺肥大、持続的な咳(喘息・喫煙者)などで日常的に腹圧がかかる人も注意が必要です。
妊娠・出産経験(女性の場合):男性に比べ少ないものの、女性でも妊娠後期~出産で腹部に大きな負担がかかると鼠径ヘルニアになることがあります。特に妊娠中期以降は要注意です。
こうした要因に心当たりがある方は、鼠径部の様子をチェックしてみてください。次章ではご自身でできる簡単なセルフチェック法をご紹介します。
セルフチェック:ご自身の症状を確認してみましょう
「もしかして鼠径ヘルニアかも?」と思ったら、まずセルフチェックをしてみましょう。新橋DAYクリニックでは、鼠径ヘルニアかどうかと日帰り手術の適応を簡易判定できる「鼠径ヘルニア・セルフチェックチャート」を公開しています。いくつかの質問に答えるだけで受診の目安になりますので、気になる方はぜひ活用してください。セルフチェックの主なポイントは次のとおりです。
- 足の付け根に膨らみやしこりが触れるか?押すと引っ込む膨らみがある場合はヘルニアの疑い。
- 長時間立ったり重い物を持つと症状が悪化しないか?仕事終わりに膨らみが大きくなる、違和感が強まる場合は要注意。
- 痛みや違和感を感じるか?軽い痛みや違和感でも、繰り返し起こる場合は注意が必要。
これらに当てはまる項目が一つでもあれば、早めに専門医に相談しましょう。セルフチェックで「ヘルニアの可能性が高い」と出た場合は放置せず、外科・消化器外科を受診することが大切です。
豆知識:恥ずかしがらず早めに受診を!
鼠径ヘルニアはデリケートな箇所の症状のため、「恥ずかしい」気持ちから受診をためらう患者さんも多い病気です。しかし放置しても自然に治ることはなく、むしろ悪化するリスクがあるため早めの受診が重要です。しかし一方で、近年では年間15万人以上が治療を受けるありふれた病気でもあるため、医療従事者は見慣れています。「鼠径ヘルニアって意外に多いんだ」と、そんな気持ちで勇気を出して専門医に相談してみましょう。
放置するとどうなる?嵌頓(かんとん)の恐ろしさ
痛みもないし膨らみも指で押せば引っ込む…。一見たいしたことがないように感じる鼠径ヘルニアですが、決して放置してはいけません。なぜなら、放置すると「嵌頓(かんとん)」という危険な状態に進行する可能性があるからです
嵌頓とは?
嵌頓とは、ヘルニアの膨らみが急に硬くなって元に戻らなくなった状態のことを指します。飛び出した腸管が筋肉の隙間で締め付けられ、絞扼(こうやく)された状態です。具体的には次のような症状が現れます。
- 膨らみが硬く張って押しても引っ込まなくなる
- 激しい腹痛を伴う
- 吐き気・嘔吐を伴う
嵌頓が起きると腸が締め付けられて血流が途絶え、数時間で腸管が壊死(腐ってしまう)する恐れがあります。そうなると腸閉塞や腹膜炎を起こし、命に関わる重篤な状態に陥りかねません。嵌頓になると強い痛みや嘔吐など急激な症状が出て緊急手術が必要ですが、壊死した腸の切除や長期入院が避けられず、患者さんの負担も非常に大きくなります。
痛みがなくても油断禁物!早期治療が肝心
怖いのは、嵌頓はある日突然起こるという点です。【「痛みもないから」と放置していた鼠径ヘルニアが、ある日いきなり嵌頓を起こすケースは珍しくありません】。嵌頓してしまうと日帰り手術では対応できなくなり(入院が必要になり)、命にも関わる緊急事態になります。こうした事態を避けるためにも、鼠径ヘルニアは嵌頓を起こす前に治療することが非常に重要です。
痛みがない段階であればつい我慢して先延ばしにしがちですが、症状が軽いうちに治療すれば身体への負担も最小限で済みます。実際、嵌頓する前であればほとんどの場合は日帰り手術が可能です。裏を返せば、「症状が出た時が手術のタイミング」と言えます。鼠径ヘルニアは良性の疾患で手術すれば完治が可能です。違和感や膨らみなど症状に気づいたら、「痛くないからそのうち治るだろう」などと思わず、早めに専門医を受診して適切な治療を受けましょう。
鼠径ヘルニアの治療法:日帰り手術で負担軽減
鼠径ヘルニアの治療は手術が唯一の根本療法です。現在では手術技術の進歩により、鼠径ヘルニアの手術は短時間かつ低侵襲で行うことが可能となっています。特に当院のような日帰り手術専門クリニックでは、患者さんの負担を軽減するため入院不要の日帰り手術を提供しています。
鼠径ヘルニア手術の方法
鼠径ヘルニアの手術は大きく分けて「開腹手術(切開法)」と「腹腔鏡手術」の2種類があります。いずれも飛び出した腸を元に戻し、ヘルニアの門(穴)をメッシュという人工補強材で塞いで再発を防ぐ方法です。
- 腹腔鏡手術:お腹に小さな穴を数カ所あけ、内視鏡カメラと細い手術器具を挿入して行う手術です。体の内側からメッシュを当てるため筋肉を大きく切開せずに済み、両側の鼠径ヘルニアを同時に治療できる利点があります。全身麻酔が必要ですが、術後の痛みが軽く回復が早い傾向があります。スポーツ選手など早期復帰を目指す方にも適した方法です(※当院でも腹腔鏡下の日帰り手術に対応しています)。
開腹手術(小切開手術):鼠径部を数cm切開して患部を直接治す方法です。局所麻酔や簡易的な医療設備でも手術が行えるため、全身麻酔に対してリスクが高い方や小規模医院での治療には向いています。また腹腔鏡に比べて保険適用で安価というメリットもあります。技術的な治療成績は腹腔鏡下手術と変わらず、一方で傷が大きくなるため、費用面以外のメリットは低いことから最近では実施数が減少傾向にあります。当院では腹腔鏡下手術の適用にならない方に対して開腹手術をご提案しています。
日帰り手術の流れと術後
日帰り手術とは、手術の後、数時間の滞在で帰宅できる手術形態です。入院の必要がないため、仕事や生活への支障を最小限に抑えられるのが大きなメリットです。当院では手術後はリカバリールームでしっかり休んでいただき、約4時間の滞在でご帰宅いただいています。日帰り手術に特化した施設とスタッフがきめ細やかな対応を行うことで、ほとんどの方は翌日からお仕事に復帰されます。重い物持ち上げなど腹圧のかかる動作は2週間ほど制限が必要ですが、それ以外のデスクワーク等の業務なら早期に再開可能です。
また当院では痛みの緩和に徹底的にこだわった麻酔・鎮痛管理を行っています(詳しくは「徹底した痛みの緩和にこだわった手術」のページをご参照ください)。手術中は麻酔科専門医による適切な麻酔管理で痛みを感じることはなく、術後の痛みに対してもブロック注射や鎮痛薬を用いてコントロールします。ご不安に思われている方もぜひ一度ご相談ください。過度に手術を怖がる必要はありません。
受診のすすめ:不安を我慢せず、早めの一歩を
鼠径ヘルニアは、早期に治療すれば日帰り手術で安全に治せる病気です。しかし、「手術は不安」「忙しくて病院に行く時間がない」と迷う方も多いかもしれません。新橋DAYクリニックでは、そうした不安を軽減するため、無料電話相談・オンライン診療・Web予約など、気軽に受診できるサポート体制を整えています。
📞 無料電話相談(0120-546-195)
「症状が鼠径ヘルニアか分からない」「手術について詳しく知りたい」など、気になることがあれば、専門スタッフが無料でご相談を承ります。受診のタイミングや治療の流れについて、お電話でお気軽にご相談ください。
スマートフォンやPCがあれば、アプリ不要・ブラウザですぐに医師の診察が受けられます。遠方の方や多忙で通院が難しい方でも、オンラインで症状を詳しく伺い、適切な治療計画をご案内いたします。
📅 Web予約でスムーズな受診
直接クリニックでの診察をご希望の方も、24時間Web予約が可能です。待ち時間を気にせず、仕事の合間にスムーズに受診できます。
新橋DAYクリニックはJR新橋駅から徒歩1分の好立地。日帰り手術に特化した最新設備と、徹底した安全管理体制で、忙しい方でも仕事を休まず治療が受けられます。
早めの治療が、安心と快適な生活につながります
鼠径ヘルニアは、放置しても自然に治ることはありません。「痛みがないから大丈夫」と先延ばしにせず、違和感を感じたらセルフチェックを試し、疑いがあれば専門医に相談しましょう。
新橋DAYクリニックでは、オンライン診療・無料相談・Web予約を活用し、患者さんが安心して一歩を踏み出せる環境を整えています。鼠径ヘルニアの症状が気になる方は、どうぞお気軽にご相談ください。専門チームが、あなたの不安を解消し、最適な治療へ導きます。
この記事の制作者
記事執筆
新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師
日本専門医機構認定麻酔科専門医
記事監修
新橋DAYクリニック外科統括医師
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本ロボット外科学会Da Vinci certificate
日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
Certificate of da Vinci console surgeon
日本肥満症治療学会評議員
日本肥満症治療学会肥満外科治療ガイドライン策定委員会・同データベース委員会、教育委員、メンタルヘルス部会、小児・思春期における減量・代謝改善手術の適応検討委員
日本内視鏡外科教育委員、縫合・結紮手技インストラクター
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科診療部長
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
板橋中央総合病院外科医長
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
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日本消化器病学会専門医
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