鼠径ヘルニア(脱腸)の手術にかかる費用は?日帰りの場合や高額療養費制度についても解説
この記事の要点
- 鼠径ヘルニア(脱腸)日帰り手術の費用のお支払いはすべて健康保険の適用です。
- 高額療養費制度が利用可能です。窓口での支払いを減額できます。
- 患者さんによって支払額は異なります。
- マイナンバーカードを保険証として利用するのがおすすめです。
- 入院費がないので日帰り手術は安価です。
こんにちは、新橋DAYクリニックの院長、岡村です。「手術」と聞くと、費用を心配される方も多くいらっしゃいます(日帰り手術については、そけいヘルニア日帰り手術をご覧ください)。鼠径ヘルニア(脱腸)の手術は、手術と麻酔の方法や種類、入院か日帰りかで医療費は大きく異なります。しかし、
①保険診療の対象である
②高額療養費制度を利用できる
ことから、ご年齢や所得により金額は変わりますが、手術や処置が複雑でも患者様は一定額以上のご負担は不要となります。高額療養費制度とは、医療費の負担が経済的に過度な負担を与えないようにするために、医療機関や薬局の窓口で支払う1か月(1日から末日まで)の医療費が上限額を超えた場合、その超過分が支給される制度で、高額な外来負担を軽減するための健康保険の給付制度です。高額療養費制度の詳細はこの記事の中段、こちらをご覧ください。
ただ、保険の負担割合や年間所得によって自己負担額が大きく変わりますので、ご不明な点はお気軽にお問い合わせ下さい。
新橋DAYクリニックはJR新橋駅徒歩1分、鼠径ヘルニアの専門クリニックです。手術費用について、専門スタッフがご案内します。まずはお気軽にご相談ください。
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手術の種類によって費用は異なる
最も医療費として高額になるのは入院にて腹腔鏡手術を全身麻酔下に行った場合で、施設にもよりますが3割負担で約170,000円程度となります。逆に最も安価なのは、在来法手術を局所麻酔下に日帰りにて行ったケースで、約15,000円程度なります。当院で採用している「腹腔鏡手術+全身麻酔+日帰り」の場合は、約120,000円程度となります。いずれも高額療養費制度の適用前の金額になり、実際のご負担額は患者様の所得により、こちらと同額、もしくは低くなります。
手術費用と高額療養費による自己負担限度額のイメージ
当院で手術にかかる費用(自己負担額)
当院で鼠径ヘルニアの日帰り手術を受け、高額療養費制度で減免を受けた場合の自己負担額はおよそ次の表のようになります(腹腔鏡手術の場合)。まず、日帰り手術なので入院費はかかりません。保険料は3割負担の場合を想定します。69歳以下の方は通常3割負担です。70歳以上の方は、お持ちの保険証をご確認ください。負担割合の記載があるはずです。
| 限度額の適用区分 | 年収の目安 | 自己負担額の目安 |
|---|---|---|
| ア、イ | 約770万円以上 | 約12万円 |
| ウ | 約370-770万円 | 約8万円 |
| エ | 約370万円以下 | 57,600円 |
| オ | 住民税非課税者 | 35,400円 |
70歳以上の方の場合、負担割合は通常2割ですが、現役並みの所得がある場合は3割負担とされます。3割負担の場合は上記自己負担額と同様です。
2割負担の場合、自己負担限度額は約18,000円です。
一見費用がかかる腹腔鏡手術も、高額療養費制を利用することにより、鼠径部切開手術と比較してもあまり金額に差が出ないことがわかると思います。
また、生活保護医療扶助、ひとり親家庭等医療費助成制度など、公費対象の方は、それらを利用した受診も可能です。詳しくはお電話でお問い合わせ下さい。
高額療養費制度の仕組み
高額療養費制度とは、医療費の負担が家計に大きな負担を与えないようにするために、医療機関や薬局の窓口で支払う1か月(1日から末日まで)の医療費が上限額を超えた場合、その超過分が支給される制度です。患者さんの所得に応じて設定された上限額に対して、1か月の医療費がそれを超えたとき、超過分の払い戻しを受けられる制度です。
窓口での負担額
自己負担限度額
高額療養費
(払い戻し)
療養の給付(療養費)
医療費総額
厚生労働省の資料(高額療養費制度を利用される皆さまへ)にも記載の通り、患者さんの年収によって上限額が変わります。本来は、年収が約770~約1,160万円の人と、約1,160万円以上では上限額は異なりますが、鼠径ヘルニアの手術を受けたときの自己負担額は約12万円のため一律表記としました。制度を利用するには、今までは事前に申請するか、治療終了後に返金を請求する方法が一般的でした。
マイナンバーカードの利用がおすすめ
マイナンバーカードをお持ちの方は、ご持参されることを強くお勧めします。それにより、高額療養費をご自身で申請する手続きは不要となります。今お使いの健康保険証に代わり、マイナンバーカードより健康保険情報を読み取ることができるオンライン資格確認システムは、高額療養費が自動的に適用され、窓口でのお支払いが上記表の金額に減額されます。手術費など比較的高額な医療費のお支払いの際は便利な機能となりますので、マイナンバーカードをお持ちの方は、診察、もしくは手術の際にぜひご持参ください。ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。なお当院ではオンライン資格確認により取得した診療情報・薬剤情報を実際に診療に活用可能な体制を整備しておりますが、これらの体制の整備に一切の費用を投じていないことから、患者負担増額につながる医療DX推進体制整備加算(8点)は請求しておりません。そのためマイナンバーカードを持参しても診療費用はこれまで通りとなります。
窓口での負担額
自己負担限度額
高額療養費
(自動適用)
療養の給付(療養費)
医療費総額
以下の方は、ご自身で申請が必要です。
・高額療養費の世帯合算が必要な方
・マイナンバーカードを保有していない方
世帯合算とは、1カ月の間に、1人で複数の医療機関を受診したり、同じ健康保険に加入している家族の医療費が高額になった場合に、窓口で支払った自己負担分を合算し、高額療養費を申請できる制度です。この場合、最終的な負担額が当院のみの治療費で決まらないため、ご自身でのお手続きをお勧めしております。また、マイナンバーカードを保有していない場合は術前か治療終了後にご自身で申請手続きが必要となります。治療後の申請の場合、給付までお時間がかかる点にご注意ください。最終的なお支払いの金額はマイナンバーカードの保有の有無にかかわらず同額になります。申請の際は、以下の書類が必要となります。
- 健康保険高額療養費支給申請書(健康保険組合指定の用紙です)
- 本人確認書類
- 当院にて発行の診療明細書のコピー
申請を事前に行い、あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けておく方法もあります。受診時に当院でご提示いただくと、窓口の支払額を減額でき、払い戻し手続きが不要となるので大変便利です。ただし、限度額適用認定証の発行まで約1週間かかるので、その点だけは注意してください。
こちらのそけいヘルニア日帰り手術ページにも費用に関する情報を掲載していますので合わせてご覧ください。
日帰り手術は「トータルの医療コスト」が安い
日本ヘルニア学会がまとめた「鼠径部ヘルニア診療ガイドライン」には次のように医療費(コスト)に関して記載されています。
・金額だけを比較すると直接的医療コストは鼠径部切開法を局所麻酔で行う日帰り手術が最も安価
・しかし鼠径部切開法と腹腔鏡手術を比較すると、腹腔鏡を使った方が手術後の疼痛や痺れ感などが少なく、日常生活復帰や社会復帰期間が短いとの報告がある
・社会的医療経済的側面を含めて比較をすると腹腔鏡手術の医療コストは削減される可能性がある
鼠径部切開法の保険点数は12,000点(両側。片側なら6,000点)に対して、腹腔鏡手術はおよそ倍に近い22,960点するため、直接の医療費は腹腔鏡の方が高いと言えます。しかし腹腔鏡手術の方が再発が少なく、また仕事や学校などに早く復帰できるケースが多いため、社会的・経済的な価値も合算して考えると、患者さんのメリットも大きくなると思われます。
これは鼠経ヘルニアに限らず、その他の外科手術についても同様な事が言えます。胃や大腸、泌尿器科、婦人科系手術でも腹腔鏡手術が第1選択となってきました(ロボット手術も腹腔鏡手術です)。
また、日帰り手術の場合、入院費がかかりません。手術翌日から社会復帰が可能な「腹腔鏡手術」を「日帰り」で行うことが患者さんにとっても社会的にも「トータルの医療コスト」が最も安いものと考えます。
まとめ
鼠径ヘルニア手術は術式により、入院の有無により、また患者さんの収入により、自己負担額は変わります。保険診療なのでどこで治療を受けても、治療内容が同じなら基本的には同一金額です。治療を決断するのは大変なことだと思いますが、そうした判断の一助になれば幸いです。
費用についてご不明な点がありましたら、当院までお気軽にご相談下さい。相談はいつでも無料で可能です。また診察の際に、高額療養費制度やお支払いについても詳しくご説明しております。
新橋DAYクリニックはJR新橋駅徒歩1分、鼠径ヘルニアの専門クリニックです。手術費用について、専門スタッフがご案内します。まずはお気軽にご相談ください。
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記事執筆
新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師
日本専門医機構認定麻酔科専門医
記事監修
新橋DAYクリニック外科統括医師
日本外科学会認定外科専門医・指導医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本消化器外科学会専門医
日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医
日本大腸肛門病学会指導医・専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本ロボット外科学会Da Vinci certificate
日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医、指導医
日本消化器外科学会専門医、指導医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医(消化器・一般外科)
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
Certificate of da Vinci console surgeon
日本肥満症治療学会評議員
日本肥満症治療学会肥満外科治療ガイドライン策定委員会・同データベース委員会、教育委員、メンタルヘルス部会、小児・思春期における減量・代謝改善手術の適応検討委員
日本内視鏡外科教育委員、縫合・結紮手技インストラクター
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
日本消化器外科学会専門医
消化器がん外科治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科診療部長
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
板橋中央総合病院外科医長
記事監修
新橋DAYクリニック外科医師
日本外科学会認定外科専門医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化管学会胃腸科専門医
日本腹部救急医学会認定医
板橋中央総合病院外科
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