鼠径ヘルニア(脱腸)の放置は危険な場合も。早期手術なら日帰り対応もできる

鼠径ヘルニア(脱腸)の放置は危険な場合も。早期手術なら日帰り対応もできる
2023年8月29日: 記事最終更新日

新橋DAYクリニックの岡村です。鼠径(そけい)ヘルニア、脱腸は放置してしまいがちと言われます。
「足の付け根に膨らみが出てきた。でも押し込めば戻るから大丈夫?」
「お酒やタバコも控えているし、徐々に治るのでは…?」
「力を入れると、ちょっと痛む程度。ガマンできますよ」
残念ながら、どれも不正解です。鼠径ヘルニアは、自然に治るケースはなく、放置して悪化させてしまうと命にかかわる恐れもあるのです。ただし早期に適切な処置をおこなえば、ほとんどのケースですぐ回復できます。早めの受診をおすすめします。

鼠経ヘルニアの放置は危険

太ももの付け根に次のような症状があれば、鼠径ヘルニアの可能性があります。

  • 腫れ
  • できもの
  • しこり
  • 痛み

立ち仕事で痛みが強くなる、お腹に力を入れるとつっぱるなどは、早めに受診してください。放置しても治らず、悪化する恐れがあるので、早期発見と早期治療が重要です。

初期は押せば引っ込むので放置しがち

鼠径ヘルニア(脱腸)は、放置されがちなのです。太ももの付け根に腫れやしこりがあっても、初期は痛みのない患者様がほとんど。また膨らみを発見しても、手で押し込んだり、横になったりすれば目立たなくなるため、受診が後回しになるようです。ただし鼠径ヘルニアは、腸が腹膜の外に飛び出している状態。押し込んでも戻らないので、手術しなければ完治しません。

脱腸という言葉のほうが馴染みがある方もいらっしゃるかもしれませんが、表す意味は鼠径ヘルニアと同じです。単純に呼び名の違いですので、脱腸も同じく「放置しても自然には治らない」のです。

放置すると硬化し痛みが出てくる場合も

放置していても鼠径ヘルニアは治りません。膨らみが次第に大きくなるケースも多くあります。そのうちに、手で押しても引っ込まなくなり、徐々に痛みが生じます。力を入れたとき、くしゃみをしたときなどの痛みが徐々に増してくると、歩くのがつらくなるなど、日常生活への影響が出るでしょう。嵌頓のリスクも増すので、危険と言えます。

嵌頓(かんとん)は緊急手術が必要になる

ヘルニア嵌頓(かんとん)は、しこりや膨らみを押し込んでも戻らなくなる状態です。飛び出した腸は筋膜に挟まれた状態となり、血のめぐりが悪くなると、腐ってしまう(壊死)可能性も。我慢できないほどの強い痛みを生じます。嵌頓が進行しヘルニアが戻らない場合は緊急手術を行います。しかし、緊急手術は合併症のリスクが上昇し、入院期間も長期化してしまうでしょう。早期発見と治療を心がけてください。

中高年は鼠径ヘルニア(脱腸)になりやすい

鼠径ヘルニア(脱腸)の患者様が、中高年に多いのは間違いないと言われています。また大腿ヘルニア、男性の外鼠径ヘルニアは嵌頓が起こりやすいという報告もあるため要注意です。若い年代の女性、とくに妊娠後に多いとされ、受診しないで放置されている人も少なくないと指摘されています。

筋膜や筋肉の力の衰えが原因とされる

年齢を重ねると、筋膜や筋肉の力が衰え、それが鼠径ヘルニアを起こすと考えられています。腸の重さを支えきれず、体内で位置がずれてしまうというわけです。肥満はよくないとされます。内臓脂肪が増えれば、鼠径ヘルニアの負担になり症状が悪化する恐れもあります。

放置される理由は「恥ずかしい」「痛くない」から

鼠径ヘルニアの患者様に話を聞くと「受診が恥ずかしいから放置してしまった」という声をよく聞きます。また初期は痛みがなく、膨らみも小さいので気にしないお年寄りも多いようです。デリケートな部位なので、お気持ちは分かりますが、当院も含め経験豊富な医師や看護師がサポートしますので、どうぞ安心して一度、受診をおすすめします。

お腹に力を入れるタイミングは注意

お腹に力を入れ過ぎると、鼠径ヘルニアの悪化の恐れがあります。大きなくしゃみ、咳がきっかけになるケースもあるので気をつけましょう。他にも、腹圧がかかる動作、腹筋のトレーニングなど、お腹に強い力がかかる運動は慎重にしてください。

鼠経ヘルニアの放置に関するQ&A

鼠径ヘルニアの放置はおすすめできません。原則として早期に手術による根治を検討された方が良いでしょう。ただ、「いきなり手術」と言われると身構えてしまう気持ちも分かります。よくある質問をまとめたので、まずはこちらを参考にしてください。

筋トレすれば自然治癒する?

残念ですが筋トレでは治りません。今のところ手術以外に治療法はないのです。筋膜に穴が開いた状態が鼠径ヘルニアです。筋膜は鍛えられず、筋トレはむしろ悪化の恐れがあります。とくに腹筋トレーニングは禁物。筋肉をつけても穴はふさがりません。

以下の記事も参照ください。

どのくらいの期間、放置しても平気?

症例による個人差が大きく「何カ月は平気」とは回答できません。膨らみが大きいから進行が早いわけでもなく、また嵌頓にならない方もいます。そのため、早めの受診、治療が大切なのです。

手術は簡単?費用は?

診断結果によりますが鼠径ヘルニアの大半は、日帰り手術で対応可能です。来院からお帰りまで、平均4時間程度なのでお仕事などへの影響も少なく手術できます。費用は3割負担の方で8~9万円程度、1割負担の方は3万円前後を想定してください

詳しくはこちら

早めの検査と治療、新橋DAYクリニックにご相談ください

新橋DAYクリニックは、日帰り手術を専門に行っています。鼠径ヘルニアの手術実績の多い外科医、麻酔科医が手術を担当し、できるだけ患者様に負担の少ない医療をご提供します。気になる症状があれば、お早めにご相談ください。

執筆:岡村正之(新橋DAYクリニック院長・麻酔科医師 日本専門医機構認定麻酔科専門医)
記事監修:黒崎哲也(新橋DAYクリニック外科統括医師 日本外科学会認定外科専門医・指導医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本消化器外科学会専門医 日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医 日本大腸肛門病学会指導医・専門医 日本消化器病学会専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本ロボット外科学会Da Vinci certificate 日本ロボット外科学会Robo-DocPilot国内B級)
鈴木淳一(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 日本消化器外科学会専門医 消化器がん外科治療認定医 日本消化器病学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本腹部救急医学会認定医 板橋中央総合病院外科診療部長)
新居高(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 板橋中央総合病院外科医長)
鈴木淳平(新橋DAYクリニック外科医師 日本外科学会認定外科専門医 日本内視鏡外科学会技術認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本消化器病学会専門医 日本消化管学会胃腸科専門医 日本腹部救急医学会認定医 板橋中央総合病院外科)

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